
便秘解消には水分補給
便秘の原因として様々なケースがありますので、水分を補給することで必ず便秘が解消するとは限りませんが、ここでは、便秘解消法の一つである水分補給がよい理由と注意点について書いています。
便秘と水分の関係
水分は、小腸で約80%が吸収され、残りの約20%が大腸で吸収されます。
便に混ざって水分が体外に排出されますが、体内の水分が不足すると、便に含まれる水分が極端に減ります。
便の水分が少なくなると、便は硬くなり、また、カサが小さくなりますので、腸が便を押し出す運動(ぜん動運動)がしづらくなり、排便が困難になります。
これが便秘の原因の一つです。
お茶を飲めば水分補給になるのか
緑茶やコーヒーを飲むと水分補給になるかというと、それは期待できません。
緑茶やコーヒーは、利尿作用のある成分を含みますので、余分な水分は尿として排出されるからです。
硬水がよい理由
ペットボトルに入った水を買うときに、「硬水(こうすい)」か「軟水(なんすい)」かをチェックされているでしょうか?
便秘には、硬水がよいとされています。
それは、硬水の方がマグネシウムの量が多いからです。
マグネシウムは、胃腸を活発にし、便を柔らかくする働きがあります。
しかし、、硬水にはカルシウムも多く含まれていますので、結石症の方は軟水を選ぶようにしましょう。
結石症でないからといって、硬水を飲み過ぎると、下痢を起こしたり、将来、結石症になる可能性があります。
1日に飲む水の量は、1.5L~2Lがよいと言われています。
飲み過ぎに注意!
一般的に水を飲むことはよいことですが、飲み過ぎると次ような問題が起こる可能性があります。
問題1:夜中ひんぱんにトイレに駆け込んだり、お漏らししたりする
問題2:水をがぶ飲みすると、腎臓の機能が落ちたり、かえって口が渇いたりする
腎臓は、体内に水分が不足すると、尿を濃縮してできるだけ体外に水分を出さないようにします。
このときの尿は黄色くなります。
体内に水分が足りていると、尿を濃縮する必要がないので、尿の色は薄くなります。
毎日水をがぶ飲みしていると、腎臓は尿を濃縮するという作業を忘れてしまい、水分が少ないときでも薄い尿を作り続け、どんどん水分を体の外に出そうとします。
これが、水を飲んでいるのに口が渇く理由です。
参考:鳥羽研二『間違いだらけのアンチエイジング』(朝日新書)