免疫力をアップさせる食べ物について
免疫力とは、インフルエンザウイルスなどの外敵から身を守る自己防衛能力のことです。
免疫力を保つには、まんべんなく、バランスよく食事を摂ることが重要です。
この上で、免疫力をアップさせる食べ物を食べると、風邪や生活習慣病の予防ができます。
免疫力をアップさせるには抗酸化食品と食物繊維
免疫力をアップさせるには、抗酸化食品と食物繊維を摂るとよいと言われています(『栄養成分の事典』新星出版社)。
抗酸化とは
私たちの体に入った酸素は、栄養素と結びついてエネルギーを作り出します。
しかし、栄養素と結びつかなかったり、余った酸素は、酸化してしまいます。
酸化とは、サビついた状態になるということです。
体の中の酸化が広がると、糖尿病、高脂血症、肝臓の機能の低下などなどの生活習慣病といわれる問題が起きてきます。
この問題を防止するには、酸化をおさえることが有効です。
これを「抗酸化(こうさんか)」と言います。
抗酸化の強い成分
<ビタミンA>
目のビタミンと呼ばれ、疲れ目や視力回復に効果があります。
一方で、ビタミンAは抗酸化作用があります。
植物に含まれるカロテンを摂取すると、体内でビタミンAに変わります。
動物性食品には、すでにビタミンAの形になっているレチノールが含まれています。
ただ、レチノールを摂取しすぎると、頭痛や嘔吐、胎児の発育に悪影響を与えるなどの副作用があります。
ビタミンAを多く含む食材としては、にんじん、モロヘイヤ、うなぎのかば焼き、豚レバーなどがあります。
<ビタミンC>
ビタミンCは、白血球を活性化させて免疫力を高めたり、抗ストレスホルモンの合成の働きもします。
また、コラーゲンの合成を助け、結果、肌にハリやツヤを与えます。
ビタミンCを多く含む食材としては、ブロッコリー、キウイフルーツ、じゃがいも、レモン、柿、赤ピーマンなどがあります。
<ビタミンE>
強い抗酸化作用があり、体の老化を防ぐ働きをします。
ビタミンEの抗酸化作用は、ビタミンCがあると効果が高まります。
この他、血液の凝固を抑えて血行を促す抗血栓作用もあり、冷えや肩こりなどの改善も期待できます。
ビタミンEを多く含む食材としては、オリーブ油、モロヘイヤ、ブリ、アーモンド、かぼちゃなどがあります。
抗酸化作用のあるビタミンは、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
<ポリフェノール>
植物の色素や皮、皮に近い部分に多く含まれています。
強力な抗酸化作用があり、活性酸素を封じ込めて無害化します。
また、発がん物質の活性化を抑えます。
ポリフェノールは、自然界に5000種類以上あると言われ、代表的なものに、カテキン、タンニン、イソフラボン、アントシアニン、セサミンがあります。
カテキンが含まれる食材:緑茶、煎茶、紅茶など
タンニンが含まれる食材:柿、栗、緑茶、ワインなど
イソフラボンが含まれる食材:大豆など
アントシアニンが含まれる食材:ブルーベリー、ビルベリー、カシスなど
セサミンが含まれる食材:白ごま、黒ごま、金ごまなど
食物繊維を摂るとよい理由
私たちの腸内には、善玉菌、ひよりみ菌、悪玉菌が存在します。
健全な場合、3者はバランスを保っていて、その様子がお花畑に見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。
しかし、このバランスが崩れると、「肥満」「老化」「がん」「糖尿病」などの病気に大きくかかわっていることが、最近の研究でわかっています。
善玉菌である乳酸菌などを摂取すると有効ですが、食物繊維には、腸内にある悪玉菌などの有害物質の排出を促進し、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもあります。
参考
「抗酸化とは」日本抗酸化学会
http://www.jsa-site.com/about_kousanka.htm
『栄養成分の事典』新星出版社
『食材事典』学研