パラベンとは、パラオキシ安息香酸とアルコール類を混ぜ合わせたもの(パラオキシ安息香酸エステル類)です。
殺菌作用があるので、食品や化粧品類の防腐剤として使われています。
しかし、配合量には制限があり、その範囲内では安全性は高いのですが、それでもアレルギーを起こす場合があります。
ですので、最近では、「パラベンは使っていません」、つまり「パラベンフリー」と明記する化粧品が増えました。
しかし、品質を保つために防腐剤は使われています。
パラベン以外で、代表的な防腐剤は
・安息香酸(表示名称:安息香酸)
・安息香酸ナトリウム(表示名称:安息香酸Na)
・デヒドロ酢酸ナトリウム(表示名称:デヒドロ酢酸Na)
・ヒノキチオール(表示名称:ヒノキチオール)
・フェノキシエタノール(表示名称:フェノキシエタノール)
などです。
現在の薬事法では、「基本的に化粧品は製造又は輸入後、適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定なものでなければならず、3年以内に変質する恐れのあるものは『使用期限』を表示しなければならない」と定められています。
逆に、使用期限が表示されていない化粧品は、(未開封の状態で)3年以上品質が保たれるということです。
薬事法下においても、化粧品に防腐剤は必要です。
しかし、防腐剤無添加って?
「防腐剤を一切使用していない」と明記された化粧品があります。
これには、次のようなことが考えられます。
(1)防腐剤ではないけれど、防腐効果のある成分を使っている。
(2)生産から客に届く期間が短く、使用期限を設定いる。
(3)中身が空気に触れない設計の容器を使用している。
問題は、(1)の防腐効果のある成分です。
自然派化粧品やオーガニックコスメと呼ばれる製品は、よく「防腐剤なし」と書かれていますが、天然の防腐効果のある成分が使われています。
ヒノキチオール
ローズマリーエキス
グレープフルーツ種子エキス
ティーツリー
ラベンダー油
アロエベラエキス
チョウジ
ユーカリ油
セージ油
などが代表的な成分です。
しかし、例えば、ヒノキチオールは、妊娠中の女性が薬物を服用したときに胎児に奇形が起こる(催奇形性)危険性のあることが報告されています。
参考:小澤貴子『ウソをつく化粧品』(フォレスト出版)
・パラペンフリーとは、パラオキシ安息香酸エステル類、通称パラベンを使用していないという意味。
・パラベンフリー、防腐剤無添加と書かれていても、通常、防腐効果のある成分が入っている。